- GD.findiが解決できる課題
- 製品紹介生産活動の現場とサイバー空間をつなぐ 生産シミュレーション
GD.find MS
Modeling & Simulation
ライン設計を強力に支援する完全ノーコード生産シミュレータ - よくあるご質問
- 事例
- ウェビナー
- お役立ち情報
デジタルツイン導入における代表的な課題とは?
構築方法から、活用におけるポイントについて解説
デジタルツインとは?
“デジタルツイン “は多くの業界で多くの意味を持つ言葉ですが、本記事では以下のように説明します。また、デジタルツインは主に製造業で用いられはじめている用語で、日本語には「デジタル空間上の双子」と訳されます。
デジタルツインとは、生産現場の物理世界(:普段の現場活動)をサイバー世界(:コンピューター上のバーチャル空間)に連携させて、サイバー世界で様々な検討・設計・最適解探索を実行し、物理世界にその結果をフィードバックするという考え方です。
デジタルツインの目的は、ユーザーが結果をより適切に予測し、より賢明な意思決定を行えるようにすることです。今回は製造業を取り上げますが、デジタルツインはあらゆる物理的なモノや現象のモデル化に利用できることができます。
デジタルツインはどのように作られるのか?
デジタルツイン構築には、いくつかの方法がありますが、ここでは4つの手法についてご紹介いたします。
- 生産シミュレーションツールを活用し既存システムからデータを集め、デジタル空間上にモデルを作成する
- センサーを活用し、物理的なオブジェクトをスキャンする
- ハンドヘルドスキャナーを使用して、対象物をさまざまな角度からキャプチャする
- 3Dプリントを使用して、モデルを作成する
その中でも、ここでは1番の例について詳しく説明します。
生産シミュレーションツールを活用し既存のシステムからデータを集め、デジタルモデルを作成する
生産シミュレーションを活用することで、生産ラインや工場におけるヒト・モノ・といった動的な要素をとらえることができます。つまり、属人化によりブラックボックスになりやすい生産ラインの見える化を実現することができます。
「とはいっても今まで通り現場カイゼンの方が安くすむでしょ」と考えられる方ももいらっしゃるかと思います。一見すると、目の前のものをカイゼンしていくが早くて安上がりにも思えます。
しかし、現場カイゼンのみでは目指すべきゴールが見えず、長年カイゼン活動を続けているのに対した成果が上がっていない…ということも少なくありません。つまり、生産シミュレーションで生産ラインの「あるべき」と現実とのギャップを明らかにし、そのゴールに近づく対策をするほうが、はコストも抑えつつ早く果が得られるのです。
デジタルツインを作るために必要な技術とは?
3つの主要なコンポーネントがあります。
1. クラウドプラットフォーム
2. レガシーシステムからデータを取り込むことができるソリッドモデリングソフトウェア
3. レガシーシステムとの統合
デジタルツインを作成する際の典型的な問題点
1. 規模
大規模なプロジェクトを進めるとなると、それ相応のデータ量となります。
2. データの統合
広く使われているレガシーシステムから新しいプラットフォームへのデータ移行は、互換性のないフォーマット、プロトコル、APIのため、不可能ではありませんが、困難な場合があります。
3.時間
モデリングに必要なすべてのデータを収集するには長い時間がかかります(数週間から数ヶ月を考えてください)。モデルを作成しただけでは、その結果をチェックすることはできません。常にオリジナルと照合する必要があります(オリジナルがレガシーシステムに埋もれている場合は特にそうです)。
デジタルツイン導入における代表的な課題
最近よくある話ですが、各メーカーで何十年も前からあるシステムをデジタル化したいということです。しかし、ここで課題となるのが、先にも述べたデータ統合の観点です。
具体的には、既存のデータをどのようにデジタル化するか、センサーやポンプなどのレガシー機器に新しい技術をどのように接続するか、そしておそらく最も難しいのは、それらの新しい技術を実世界と統合するか、といった課題があります。
実際の工場を「完璧に再現」しようとすると、時間もコストもかかりすぎて、プロジェクトの目的を達成できない
デジタルツイン導入において最も陥りやすい失敗は、このケースにハマってしまうユーザ様も少なくないのですが、「現実の工場を完全再現しようとして、結局コストばかりかかってしまった…」というものです。
デジタルツインを導入するには、バーチャル工場を構築するための、現場のデータが必要になります。
しかし、ここで現場の工場をそっくりそのままデジタル世界に再現しようとするとなると、多くの現場データが必要となり、その全てのデータを集める仕組みや方法を導入する必要性が生まれてしまいます。また、デジタル世界で実行するシミュレーションも大きく・複雑なものになってしまいます。
そうなりますと、それ相応のコストと工数がかかってしまいますので、例えば「生産性を向上させて、製造コストを削減する目的でデジタルツインを導入したのに、導入コストが莫大になりプロジェクトが頓挫してしまった」という事態も招きかねません。
スモールスタートのススメ
デジタルツインを導入したいという思いの背景には、何か達成したい目的があるはずです。例えば、既存ラインの搬送最適化や新ライン設計の最適化、などがあげられますが、これらの各プロジェクトの目的にあわせて小さくはじめるというのが重要になります。
現場でどんな問題が起こるかをExcelベースで予想することは、極めて難しいことです。シミュレーションツールを活用しデータで見える化することによって効率的な設計、問題の定量化などができ、最適なプロジェクト達成ができるといえます。
著者情報
山上 玲奈(株式会社レクサー・リサーチ マーケティング担当)