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作業者エージェントによる多工程持ち作業の設計
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1.多工程持ち作業設計の難しさ
製造現場が目指す目標のひとつに、安定かつ効率的な生産を実現するための生産ラインや生産方式を造り上げることが挙げられます。この目的に向かってリーン生産を実現する方式として、作業者の柔軟性を活用するアプローチがあります。
皆様もご存じの通り、今日では、多品種生産・省人化が進む情勢の中、ひとりひとりの作業者に複数の作業を受け持たせることで、生産ラインの全体的な生産効率を引きあげることが有効です。
しかし、どんな作業を
・何のスキルをもった誰に
・いつ
・どこに
割り当てて、生産効率を上げるかという工程設計を、客観的かつ正確に評価し、実装させることは容易ではありません。
皆さんは「標準作業組み合わせ表」や「サイクル線図」等で作業者の多工程持ちを設計されると思いますが、EXCEL等を使ってチャートを描き、多くの時間をかけなければなりません。そして、それでも十分な計画ができないといった経験をお持ちと思います。
単なるマン=マシン作業の設計だけでなく、作業者が複数のステーションでの作業を受け持たせる場合など、複合した条件で全体の流れを考えていくことは難度が高い作業です。加えて、サイクルタイムの変動やチョコ停、ステーション間の歩行やスキル差など、多くの検証すべきことがあります。さらに、異なった多品種を製造する生産ラインでは、ますます、複雑になってしまい、人間業(EXCELの限界)を超えてしまいます。
安定かつ効率的な生産を実現するための手段であるはずの多工程持ち作業を設計するノウハウが、そもそも主観的で根拠のないものでは心もとありません。思惑通り生産性が向上したとしても根拠は不明、向上しない場合も理由不明…となれば、実装して生産性向上という夢を叶えるどころの話ではないのが、多くの製造関係者が共有する悩みでしょう。
適切な多工程持ちの設計を合理的な根拠を持って実施できるようになるだけでなく、生産性を高めるはずの工程設計活動自体の生産性をどう、高めていくかがが課題になっています。
2.多工程持ち設計へ向けたアプローチ
なぜ、多工程持ち設計が難しいのか、それは機械と作業者、作業者と作業者、前工程と後工程等の多様な関係の中では、EXCELやチャートだけに頼って作業の流れを設計することができないからです。実際の作業現場をイメージしながらチャートに落とし込むことの限界があります。連なる工程を総合して設計することや、ダイナミックにふるまう現場をスタティックなチャートで書くことはできないからです。
この課題に対するアプローチとして、生産シミュレーションを活用した仮想実験を行うことが有効です。いろいろと考えてもわからなければ「やってみればよい」ということです。やってみることで、設計や想定がどのように効果的なのか、また、どこに問題があるのかが一瞥で理解できます。シミュレーション上の仮想実験ならば、コストをかけずに実施することができます。ですから、繰り返して仮想実験を行うこと、何度もカット&トライを行うことも許されます。
尚、ここでいう「コスト」とは、工程設計を行う時間チャージを意味します。ラピッドに計画を作成することこそがリーンであり、アウトプットである工程設計もリーンになります。
3.自律動作するエージェント
GD.findi の特長のひとつに、「エージェント」技術があります。エージェントとは自律動作するオブジェクトであり、ある一定の役割を定義され、都度、置かれた状態を自ら判断して行動することができるオブジェクトです。多工程持ちとは、作業者が自らの置かれた状況を知って、その状態に対する判断を行って作業を実行することです。GD.findi は、多工程持ちを行う「作業者エージェント」を準備していますから、このエージェントを活用することで作業者の多工程持ちを簡単にシミュレーションすることができます。
GD.findiを活用すれば、設計構想通りの多工程持ちをどんな条件でも、何度でも、再現することができます。構想がうまくいけば諸条件を変化させ安定性を確認し、安定性の根拠を理解することができます。構想通りでなければ、その理由を分析・評価し、新しい構想を試すことができます。トラブル発生のパラメータを設定すれば、複雑な多工程持ちとトラブルシューティングを並行した作業をシミュレーション上で再現し、生産現場のリアルな動きを全体的に可視化することもできるようになるのです。
4.作業者エージェントの振る舞い
ワークステーションでの生産活動が始まる、もしくは終わる等の事象(イベント)が発生した時、ワークステーションは作業者エージェントを呼び寄せる命令を発信することができます。そのワークステーションの仕事を受け持つことを定義された作業者エージェントすべてにこの命令を発信すると、手が空いていて、最も近い場所にいる等の条件に合致する適切な作業者エージェントをつかんで(Grab)、その作業者エージェントをワークステーションへ呼び寄せることができます。
ワークステーションに割り当てられた作業者エージェントがすべて、作業中であれば、ワークステーションはいずれかの作業者エージェントの作業が終わるのを待ちます。そして、作業者エージェントの手が空き次第、そのワークステーションでの作業に従事させます。ワークステーションがそれまで待つ時間や、また、作業者エージェントがワークステーションまで歩行して移動する時間等、すべてシミュレーションに反映させることができます。
動画1 作業者エージェントの振る舞い
5.作業者エージェントの設定と実行
GD.findi では、シミュレーション対象の作業を「ステーション・アクティビティ」と呼んでいます。ステーション・アクティビティは、生産プロセスとして定義された要素作業をその作業を行うワークステーションに割り付けた関係データのことを指します。一旦、ワークステーションのレイアウトと要素作業を紐づけて設定すれば、図4のように対象のステーション・アクティビティに対して、作業者エージェントを選ぶだけで設定は完了です。
作業者エージェントはGD.findi のエディタで簡単に行うことができます。作業者エージェントはGD.findiのエージェント・ライブラリに登録されているので、そこからエージェントを選んで、多工程持ちさせたい対象作業に割り付けることで設定します。
図5の例では、「作業者A」は「中間加工」と「仕上」の2つの作業に割り付けられていますから、この2つの仕事を多工程持ちする、ということになります。
このような設定だけで、多工程持ちの振る舞いが即座にシミュレーション実行されます。
動画2 多工程持ちする作業者エージェントの動き
6.作業者エージェントのチーム編成
次に、作業者エージェントは作業者個人だけでなく、作業チームとしても設定することができます。つまり、ステーション・アクティビティに対して個人名を持つ作業者エージェントだけでなく、複数の作業者を有する作業チームを割り当てることもできます。この作業者区分を利用すると、作業者のスキルや能力に応じた作業の割付け設計も可能になります。また、作業者エージェントの歩行速度等、柔軟に設定することも可能です。
7.作業者エージェントを活用した最適な作業者数の決定
多工程持ちの生産ラインで作業者数を決定することは容易ではありません。例えば、作業者数が少ない場合、ワークステーション側で作業者を待つことにより作業が停止し、結果、工程間在庫が増えてしまう等のロスが発生することになります。GD.findi ではこのような状態を、「マテリアル・フローチャート」(下図)で確認することができます。
このような場合、先にご紹介した作業者エージェントのチーム編成を変えてみることで、作業者待ちが発生しない、最小限の作業者数を求めることも容易です。
上記の図の例では、図10 の場合、手待ち時間が最小になり、生産性はもっとも高いと考えることができます。
このように、作業者エージェントを活用することで、複雑な振る舞いの多工程持ち作業の最適化設計を行うことができます。
GD.findi のエージェントで、多工程持ちの作業者の挙動を多元的かつ客観に理解し、正確に分析・評価することができます。エージェントを定義・設定することで、リーン生産を実現するための様々な条件と構想をバーチャル上に再現し、より良い工程設計をラピッドに進めてください。
GD.findiに関するお問い合わせは、下記よりご連絡ください。