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【DXとは何が違う?】サイバーフィジカルシステムとは
サイバーフィジカルシステムとは?
サイバーフィジカルシステムの定義
サイバーフィジカルシステム(Cyber-physical systems)とは、物理世界とサイバー世界(コンピュータ上)を連携させて、物理世界では時間的・コスト的に不可能といえるような様々な検討、設計、最適解探索をサイバー世界で実行し、 それを物理世界にフィードバックするシステムのことを指します。
つまり、昔ながらの経験や勘ではなく、データとデジタル技術を活用した最適化のことであり、サイバーフィジカルシステムをあらゆる産業に適用しようという動きが広まりつつあります。
サイバーフィジカルシステムはCPSと略されて使われることもあります。
Cyber-physical systems (CPSs) are the result of the integration of connected computer systems with the physical world.(サイバーフィジカルシステムはサイバー世界と現実世界が統合した結果である) /A. Aerts, … M.R. Mousavi, in Cyber-Physical Systems, 2017
【図解】サイバーフィジカルシステムの流れを図解で解説!
一見すると難しい気もするサイバーフィジカルシステムですが、図解してわかりやすく解説したいと思います。
サイバーフィジカルシステムの具体的な流れは、以下の通りです。
- 日常活動から産業活動まで、日々のあらゆる活動をサイバー世界に定義する
- サイバー世界で目指す姿を最適化設計して物理世界へフィードバックする
- 物理世界での活動のデータを収集し、サイバー世界にビッグデータとして蓄積する
- 物理世界で得られたデータを分析し、物理世界では不可能といえる検討や最適解探索を行う
- これらのフィードバックループ、循環的な活動で、目指す姿に成長させる
図1でも示されている通り、サイバーフィジカルシステムは物理世界の活動をサイバー世界(コンピューター上)に再現するだけではなく、目指す姿を目標として設定し、最適解を物理世界にフィードバックするという点が特徴だといえます。また、この流れは現実世界→サイバー世界の一方通行ではなく、サイバー世界→現実世界と循環していくものだということも特徴です。そして、サイバーフィジカルシステムを活用することで、「部分最適」からこれまで難しいとされた「全体最適」を実現することができると考えられています。
サイバーフィジカルシステムは新しい概念?注目される理由とは
サイバーフィジカルシステムは実は全く新しい概念ではありません。しかし、近年の急速なデジタル技術の発達とIT技術の普及によって注目されるようになってきました。
自動運転車が世界各国で発表されるなどIT技術はますます進化を遂げています。そして、産業・インフラ・医療、製造…といったようにIT技術が単体製品の枠組みを超えて適用されるようになっていることもサイバーフィジカルシステムが注目される理由だといえます。
サイバーフィジカルシステムはDXとは何が違う?似ている言葉との違いを解説!
ここまで解説したサイバーフィジカルシステムですが、IoTやDXなど他の似た用語とは何が違うのでしょうか?ここでは、具体例も交えて説明します。
IoTとの違い
IoTはInternet of Thingsの略語で、モノのインターネットと訳されている言葉です。IoTは、その言葉通りモノがインターネット経由して通信をするという意味です。IoTが確立される以前は、インターネットはコンピューター同士をつないで通信するものでした。
しかし、現代ではスマートフォンをはじめテレビやデジタルカメラ、機械のセンサー、猫の首輪まで…様々なモノがインターネットを介してサービスを提供しています。こういったモノが媒体となったインターネット接続は、今後ますます広がっていくと考えられます。
サイバーフィジカルシステムとIoTの違いは、サイバー世界から物理世界へのフィードバックがあるかないかにあります。IoTはモノをインターネット接続の媒介としてサービス提供やコミュニケーションが行われるというものに対して、サイバーフィジカルシステムはサイバー世界と物理世界を循環して様々な活動の最適化を図っていくものです。
つまり、サイバーフィジカルシステムはIoTよりも包括的な概念だといえます。
DXとの違い
近年、その取り組みが叫ばれているDX(Digital Transformation /デジタルトランスフォーメーション)ですが、これはIT技術を浸透させることによって人々の社会活動をより良いものにしていくという概念です。
例えば、オンライン通販サイトやインターネットバンキングのようにすべてオンライン上で完結するシステムがDXの例だといえます。
DXとサイバーフィジカルシステムの違いは、DXがIT技術の浸透が人々の生活がより良い方向にするという大きな概念に対して、サイバーフィジカルシステムは上述したようにサイバー世界から現実世界へのフィードバックによって最適化が実現できるという方法論的な考え方です。
つまり、DX活動の一環の流れの中で、サイバーフィジカルシステムを活用するということがDX推進に役立つといえます。
【オンデマンドセミナー】
60分でわかる!スマートファクトリーのキーテクノロジー「CPS」とは
本ウェビナーでは そもそも、CPS(サイバー・フィジカル・システム)ってどういう意味? DXやIoTとは何が違うの? 具体的な実装方法・事例とは?などについて、ご紹介いたします。
まとめ
今回は、「サイバーフィジカルシステム」の意味や注目される理由、似ている言葉との違いについて解説しました。
サイバーフィジカルシステムとは
物理世界とサイバー世界(コンピュータ上)を連携して動作させて、物理世界では時間的、コスト的に不可能といえるような様々な検討、設計、最適解探索をサイバー世界で実行し、 それを現実世界にフィードバックするシステムのこと。スマートフォンや家電といったあらゆるモノがデバイスとなり、膨大な情報がインターネットを介して伝達されるという IoT(Internet of Things)よりも包括的な概念といえる。
サイバーフィジカルシステムの推進は、DX実現に向けたアクセルになるものです。そしてサイバーフィジカルシステムの構築は、「全体最適」の実現、ひいてはビジネスの抜本的改革につながるものだといえます。