【ゼロから解説】レイアウト設計の目的から手法まで!工場レイアウトについて基礎から解説

スマート工場

工場では、多くの機械が置かれていたり、作業を行う作業台などが設置されていたりします。これらの設備は、工場のレイアウト設計に基づいて置かれているものです。

この記事では、工場レイアウトとは何か、また工場レイアウトがどのように工場の効率化に役立つのかをご紹介します。

工場レイアウトの目的、考え方

工場レイアウトの目的は、生産活動の継続的かつ安定的な動きを実現するために、設備等を置くために必要なスペースを把握した上でそれらを適切に配置することにあります。

工場レイアウトの基本的な考え方は、仕掛品、完成品、金型、工具、機械などによる干渉・障害を最小限にするように組立ラインを作ることにあります。コンベア輸送の生産ラインを例にあげると、コンベアから置き場までモノが絶え間なくかつどこかで滞留することなく流れることで、生産作業がスムーズに行えるという訳です。

生産活動の安定した流れを作るためには、コンベアやクレーンなどのマテリアルハンドリングシステム、機械のレイアウト、スケジューリングシステムによる適切な管理の仕組みから最適なレイアウト設計が求められます。

【ゼロから解説】レイアウト設計の目的から手法まで!工場レイアウトについて基礎から解説

工場レイアウトの基本

工場のレイアウトには、主に2種類あります。

1つめは、設備・機械が横並びに並び、ベルトコンベア等で搬送される形です。いわゆるライン生産といわれるもので、この場合は製品が生産される順番に従ってレイアウトが設計されていることが一般的です。

2つめは、一人あるいは少人数の作業者がある一定の作業場で製品をつくる形です。いわゆるセル生産といわれるもので、この場合は、作業場となるセルを設置し、そこに必要な部品などもストックしておくことになります。

適切な工場レイアウト設計のメリット

適切なレイアウト設計による主なメリットは、「効率の向上」「時間とコストの削減」「生産量の変更に対する柔軟性」などがあげられます。設備や作業場を適切な位置で配置することで、施設内の移動を減らすことができます。移動が少なくて済むため、多くの仕掛かり在庫を抱える必要もなくなり、中間在庫を減らすことができます。また、スペースを有効活用できるので、コスト削減にもつながります。

さらには、搬送時間が短縮されることで、製造リードタイムの短縮にもつながります。製造リードタイムを削減することは、品質向上に大きくつながります。

このように、適切なレイアウト設計は工場内の効率化だけでなく、品質向上にもつながるものだといえます。

生産システム全体の最適化検討

工場レイアウト設計のポイント

工場レイアウト設計でポイントとなるのが、工場内の様々な要因を考慮するということです。工場内では、ヒト・モノ・資源が常に動き、それぞれに対する干渉が発生します。

これらの要素を適切に考慮することで、少ない製造時間で作業方法を改善し、期待される高品質の製品を最小限のコストで提供することができます。

工場レイアウト設計の手法

工場レイアウト設計では、描画ツールやCADといった設計のためのツールで設計し、Excelや机上計算で、ヒト・モノの動きを計算するというのが一般的です。ただ、机上計算では段取り替えや手待ち、見えない干渉を考慮することは難しくなります。

ここで、おすすめしたいのが生産シミュレーションを用いて「バーチャル上でレイアウト設計案を試してみる」ということです。バーチャル上ですから、現場を動かさずに動的な要素を考慮した最適なレイアウトを導き出すことができます。

生産シミュレーションにも様々な種類がありますが、多くのシミュレータはプログラミングの必要があります。しかし、レクサー・リサーチが開発・販売するGD.findiならノーコードでシミュレーションが実行可能です。つまり、複数の案をそれぞれシミュレーションにかけ、どれが最適な案なのかということが簡単に検証することができます。

バーチャルだから現場がない段階でも繰り返し検証可能

まとめ

今回は、工場レイアウトについて基礎から紹介しました。工場レイアウトの良し悪しは生産性に大きく関わるものであり、工場レイアウトを最適化することで、製造リードタイムを短縮し、期待される高品質の製品を最小限のコストで提供することができるといえます。

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生産性と作業効率を高めるための工場レイアウトの最適な設計方法とは
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著者情報

山上 玲奈(株式会社レクサー・リサーチ マーケティング担当)