ESGとは?ESGの意味から製造業に与える影響をまとめて解説

ESG

ESGという言葉はご存知でしょうか?今日、企業が成長し成功をおさめ続けるためには、自社の利益を超えた視点が必要だといわれています。このことは大企業に限ったことではなく、スタートアップ企業や新しいビジネスにとっても重要なポイントになります。

今回は、これに関連するESGという概念について、その意味から製造業に与える影響までまとめてご紹介いたします。

ESGとは

ESGとは、ビジネスや企業活動が持続可能性および社会的影響を与えるかどうかを判断する基準のことを指します。元々は投資領域に使われていた言葉ですが、SDGsの広まりとともに拡大して捉えられるようになってきています。

ESGは、Environmental(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字をとった略語で、それぞれ企業が社会に良い変化をもたらすために努力するべきといわれている分野です。

ESGの考え方は、世界では積極的に取り入れられており、「現代では到底無視することができないものだ」ともいわれています。

In our day and age, you can’t afford to ignore ESG principles anymore. Shannon Bergstrom,2021

地球と人

ESGの全体的な意味がわかったところで、E・S・Gそれぞれの意味について解説していきたいと思います

E:Environmental(環境)

気候変動や持続可能なエネルギー、汚染防止といったテーマは、今後ますます重要視されると考えられています。

ESGの概念においては、水、空気、土地、生態系、そして人間の健康にかかわる問題への取り組みが重要視されます。これらの問題への取り組み方は、企業の業種やビジネスの在り方によって変わっていきますが、「地球と社会の持続可能性を尊重する」という点は共通しています。

S:Social(社会)

多様化する今日の社会では、多様性(ダイバーシティ)、包摂性(インクルージョン)、公平性(エクイティ)といったテーマが注目されています。これらに加えて、ESGの概念では、企業の労働条件や職場での健康状態、メンタルサポートといったものも対象になります。

G:Governance(ガバナンス)

SNSが主流となり、マスメディア以外にも情報が流通するようになった現代では、企業のあらゆる活動が注目される可能性と同時にネガティブなPRにつながるリスクもはらんでいます。ESGの概念においては、企業の透明性や情報開示、株主保護、取締役会の説明責任を促進することが重要視されています。

ESGが製造業に与える影響

ここまで解説してきたESGですが、製造業には具体的にどのような影響があるのでしょうか?

◆ E(環境)

製造業は地球資源と密接に関係する領域であり、公害問題から始まりISO140001など従来から積極的に対策されている領域ではありますが、脱炭素や製造過程のロス削減など環境への取り組みは今後ますます重要視されると考えられます。

◆ S(社会)

製造業において、生産活動を進めるためには人による労働力が不可欠です。これは自動化が普及しつつある現代においても不変のことです。また現代では、グローバル化から国内外の拠点をまたいだ生産活動が行われることも少なくありません。

このような状況下では、多様性を重んじることはもちろんのこと、働く従業員の心と体の健康の維持も重要な観点になってきます。

◆ G(ガバナンス)

これは製造業に限らずすべての業界にいえることですが、G(ガバナンス)をおざなりにしてしまうことは、E(環境)やS(社会)の要素に影響を及ぼす他、企業活動そのものを揺るがすことになるといえます。

まとめ

ここまで考察してきたESGですが、これは一過性のものではなく企業が継続して取り組むべきテーマだといえます。またESGは企業のステークホルダーに直結することですから、ESGを推進することは、企業価値を上げることにつながるといえます

Shannon Bergstrom “How ESG Principles Help Companies Attract New Investors”,2021

https://industrytoday.com/how-esg-principles-help-companies-attract-new-investors/

ESGとは?ESGの意味から製造業に与える影響をまとめて解説
著者情報

山上 玲奈(株式会社レクサー・リサーチ マーケティング担当)

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