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モノづくり用語解説 | 本記事は 3分で読むことができます
MRPとは?意味や特徴、活用メリットをまとめて解説
執筆者:レクサー・リサーチ マーケティング 山上玲奈(やまがみ れいな)
無料ガイド:なぜ生産スケジューラの導入は失敗するのか? 生産計画の見える化・最適化・標準化 に向けた基礎ガイド
MRP(資材所要量計画)という言葉は、製造業に携わったことのない方にとっては聞き慣れない言葉かもしれません。
この記事では、MRPについて基礎から解説いたします。MRPの用語の意味とその利点、そしてMRPシステムを導入することでのメリットをご紹介いたします。理解の一助としていただければ幸いです。
MRP(製造資源計画)とは
製造資源計画、通称MRPは、在庫と生産スケジュールを管理するための手法です。MRPは、適切な在庫レベルを維持し、生産工程をスケジュールするために使用される方法であり、 MRPを適切に管理することで販売予測がより適切となり利益が上がりやすい購買計画を立てることができます。
MRPは、製品を生産するために必要な原材料の量と、発注タイミングを計算することで機能します。生産スケジュールを予測することができるため、サプライ品の発注を適切な時間とすることで在庫コストを削減することができます。
MRPの歴史
MRPはそもそも1960年代に製造業が倉庫に保管されている部品や材料を管理する方法として開発され、ボーイング社が先駆けて導入を進め、その有効性が証明されました。しかしそれ以前は、ほとんどの企業が手元に何があるのか、何を購入し生産する必要があるのかを把握できていませんでした。そのため当時は、余剰在庫や余分な注文、余分な外注など、バランスの不均衡で膨大なコストの無駄が発生していました。
そこで、1975年にジョセフ・オルリッキーが、コンピュータにより生産物の需要とそれに必要な原材料を計算し、製造工程のスケジューリングを行う手法として、MRPシステムを開発しました。
MRPシステムの広まり
アバディーン・グループが行ったある調査では、MRPの効果のトップ3は、在庫の削減、納期遵守の向上、顧客満足度の向上であることが明らかになりました。また、同グループの別の調査では、MRPシステムによるコスト削減効果は平均183万ドルで、投資回収期間は11カ月であることが明らかになりました。
MRPのポイント
MRPを策定する上で必要となるポイントは、(1)生産計画、(2)部品表、(3)在庫情報の3点です。
生産計画
生産計画とは:お客様からの注文数をもとに、製品ごとに生産計画を立てます。この計画に基づき、最終製品の生産スケジュールを立てます。
部品表
部品表(BOM)とは:製品を作るために使われる品目と、その製品を1個作るために必要な各品目の個数を記載したもの。部品表には、要約型部品表と構造型部品表の2種類があります。
サマリー型部品表
サマリー型BOMとは:1つのオーダーで製造されるすべての製品とその数量をリストアップしたもの。
サマリー型BOMは、製品に使用されるすべての部品とその数量の概要であり、個々の部品がどのように組み合わされているかを確認するものではありません。
ストラクチャ型部品表
ストラクチャ型部品表とは:「ここにボルトがあり、この部品はこの溝に入る」というように、各部品がどのようにアセンブリに組み込まれるかを正確に示したもの。
構造型部品表は、部品とアセンブリの関係を階層化することで、より詳細に表現がされています。
在庫情報
在庫情報とは:在庫情報は、各製品や部品の在庫数、予備在庫数等を表します。これらは一定期間ごとに更新する必要があります。
MRPの狙い、活用のメリットとは
ここでは、まずMRPの狙いを述べ、次に製造業におけるMRP活用の効果・効用を説明します。
MRPの狙い
MRPの狙いは、製造業の目標達成を支援しながら最良の結果を得ることです。 MRPは需要に対応するために必要な材料や部品の量を計算し、生産のための最適な作業指示を短期間で出します。
MRP活用のメリット
MRPを活用するメリットとして、まず挙げられるのは、業務の効率化です。どのような部品が、いつ、何個必要で、その部品が届くまでにどれくらいの時間がかかるのかを簡単に把握することができるようになります。また、これらを迅速に把握できるシステムを導入することで、サプライチェーンが十分な在庫を発注したかどうか、生産に必要な労働者が十分にいるかどうかを心配することなく、効率化することができます。
MRPを活用するもう一つのメリットは、製造プロセスの効率化に役立つということです。製造工程が効率化されれば、企業は部品を探したり、部品が適切に発注されているかどうかを確認したりする時間を費やす必要がなくなるため、時間とコストを削減することができます。また余剰な原材料の購入を防止できる為、コスト削減にもつながります。
まとめ
結論として、MRPは企業の大小を問わない、効率化を達成するための優れた方法です。計画、実行、在庫の適切な処理など、多角的な視点で効果を発揮するので、サプライチェーンをより効率化することができます。そのため、最終的には全般的な効率化でより良い意思決定を行うことが可能になっていきます。
しかし、平準化は基本的には「ムリ・ムダ・ムラ」の削減、という製造業の大前提を突き詰めていく事で、実現可能です。まずは製造プロセスをきちんと分析して、少しでも改善できるところがあれば、改善する。それを繰り返すことで、実現することも可能です。