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【ゼロから解説】製造業におけるOODAの原則とは
執筆者:レクサー・リサーチ マーケティング 山上玲奈(やまがみ れいな)
無料ガイド: 製造業の事業拡大における3つの課題と効率化に向けた改善ステップ
本記事では、最近話題の「OODA」について、その意味からPDCAとの違い、製造業での活用法について基礎から解説します。
OODAループとは?
まず OODAループとは、人やグループが4つの段階を経て、繰り返し行動するプロセス のことです。
OODAのアルファベットのそれぞれの意味は以下の通りです。
O:観察(Observe)
O:方向づけ(Orient)
D:決断(Decide)
A:行動(Act)
OODAループは、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐によって開発された軍事戦略の概念です。OODAループは、現在では、ビジネス、マーケティング、スポーツなど、さまざまな状況や分野に応用されています。
そこで今回はビジネスの意思決定プロセスにおける最も重要なステップを理解し、状況に応じた行動を取る為に「観察」「方向づけ」「決断」「行動」の4つの段階すべて考慮していることを確認する方法を解説します。
OODA:それぞれの意味について解説
OODAループは現在ではアマゾン、グーグル、フェイスブックなどの企業が戦略的な意思決定を行う際に利用されています。
4つの要素については、それぞれ下記の通りです。
O:観察(Observe)
ループの最初のステップは観察です。このステップでは、個人やグループが自分の環境を観察し、周囲の環境を理解し、周りで起こっている変化を特定します。
O:方向づけ(Orient)
このステップでは、自分の行動によって何を達成したいのか、それをどのように達成しようと計画しているのかを理解します。このステップでは、自分たちの目標や目的を決めると同時に、競合の目標や強みを把握します。
D:決断(Decide)
このステップでは、ステップ1、2で集めた情報をもとに、個人またはグループが決断を下します。この決定により、ステップ4へ進むことができます。
A:行動(Act)
このステップでは、決定したことを実行に移します。
OODAとPDCAの違い
OODAループとPDCAサイクルは、比較されがちですが、まったく異なるマネジメントモデルです。 OODAループは、意思決定プロセスに重点を置いたものでありPDCAサイクルは、継続的な改善プロセスに焦点を当てたものです。
PDCAサイクルは、本質的に、巨大なデータセットを持つ完全に内部的な設定でうまく適用できる分析的アプローチです。PDCAを回すためには基本的に外部に相談したり、状況の変化に対応したりする必要はありません。PDCAにおける分析とは、包括的なデータを用いて、効果的な知見を得ることであり、事実をもとに今後の方針を決定し、分析が導いた仮説を確認・否定するために行動するものです。
一方で、OODAの目的は、不完全なデータから行動を起こすことです。現代の不確実性が高まる状況下では、対処しなければならないすべての要因を認識することは不可能であるため、成功の可能性が最も高いと思われる決定を下し、潜在的なオペレーションリスクを軽減・最小化しなければなりません。OODAループの本質は、複雑で不可解な環境、頻繁に起こる予測不可能な変化を観察し、方向付けることから、行動を決定付けることなのです。
予測不可能な世界では、主体的に行動する粘り強さとダイナミズム、そして、自分ではコントロールできない変化に応じて、計画や答えを流動的に変化させる必要性が高まってきているのです。
OODAループを生産現場で活用するための5つのステップ
OODAループは、生産現場において、次に何をすべきかの意思決定に活用することができます。競合他社が何をしているのか、どのように行っているのかを理解するのに役立ちます。また、チームメンバーが十分な情報を得た上で意思決定を行うためには、お互いに情報を共有することが重要です。ここからはOODAループの5ステップをご紹介致します。
1) 自社の強み・弱みを把握する
OODAループを生産現場で活用するための最初のステップです。自分の得意なこと、苦手なことを把握することで、会社にとって最も重要なことにフォーカスすることができます。
2) フィードバックループを活用する
フィードバックループを活用することで、過去に他の人が犯した失敗から学ぶことができます。これは、将来同じような過ちを犯さないようにするために重要なことです。
3) フィードバックに基づいて行動する
フィードバックを受けたら、それに基づいて行動し、潜在的な問題を防ぐために行動を起こすことが重要です。
4) 観察し、分析する
行動を起こした後も、失敗から学び、製品やプロセス、システムを改善するために何が起こったかを観察し、分析する必要があります。
5) 適応する
失敗を観察することで、環境の変化に適応し、市場のニーズに応えることができるようになります。これは、マンネリ化を防ぐために重要なステップです。
まとめ
OODA ループを組み込んだプロセスを使用することで、新しい戦略を革新、テスト、実装するための効率的な方法を生み出し、製造プロセスの合理化に役立てることができます。
これは製造業において、品質を落とさずにコストを削減するための重要なステップとなります。このサイクルを組織内の既存のプラクティスに組み込むことで、組織はイノベーションのペースを上げることができます。
これは、同業他社との競争力を高めることにつながり、組織内の効率を高め、全体として顧客の満足度を高めることになります。新たな課題が生まれ競争が激化する中、製造業は市場の革新的なリーダーとなるための準備をすることが求められています。