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【DXの次はこれ!】グリーン・トランスフォーメーション(GX)とは
近頃 DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉はビジネスにも浸透しつつありますが、GX(グリーン・トランスフォーメーション)という言葉は聞いたことありますか?
日本ではあまり聞きなれない用語ですが、ヨーロッパなど先進的な企業ではその取り組みが重要視されています。今回は、この「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」の意味から注目される理由までわかりやすくご紹介いたします。
グリーン・トランスフォーメーションとは?
グリーン・トランスフォーメーションとは
グリーン・トランスフォーメーション(GX)とは、地球資源の長期的な管理を考慮した持続可能な価値創造へのパラダイムシフトのことを指します。現代の地球温暖化や異常気象などによる気候変動への懸念から、脱炭素化やエネルギー転換、原子力発電や化石燃料の使用に対する反対など、環境保護に対する世界的な潮流に沿ったものといえます。
また、グリーン・トランスフォーメーションには、気候や人々の健康に害を与える産業プロセスから、温室効果ガスを排出しないグリーンな産業への転換も含みます。つまり、グリーン・トランスフォーメーションは将来の成長のための投資計画と捉えることができます。グリーン・トランスフォーメーションのプロセスには、産業構造、経済システム、社会環境という発展の3つの側面すべてを連携させて推進する必要があります。
グリーン・トランスフォーメーションの取り組み例
グリーン・トランスフォーメーションの取り組みは世界各国で広がりつつあります。ここでは、デンマーク、スウェーデン、そして中国の例をご紹介いたします。
・デンマーク
デンマークに拠点を構える洋上風力発電世界大手オーステッドのCEOマッズ・ニッパー氏は、「2030年までに世界有数の世界有数のグリーンエネルギーメジャーになる」と宣言し、グリーン・トランスフォーメーションの取り組みを推進すると発表しています。
・スウェーデン
米テスラの元幹部であったピータ・カールソン氏が創業した電池メーカー、ノースボルトは、電気自動車(EV)用電池製造に必要な大量の電力を全て再生可能エネルギーでまかなう方針をたてています。
・中国
中国は国ぐるみで温室効果ガス排出抑制・削減計画を押し出しており、国の状況に応じて、2030年までに2005年比で60%〜65%の削減を目指しています。これは、中国が2025年以前に排出量のピークを迎えることを意味しており、クリーンエネルギーへの投資を拡大することで、2020-25年の間に再生可能エネルギー比率を15-20%にすることを計画しています。また、森林被覆率を21%から20%に増加させることも計画しています。
なぜグリーン・トランスフォーメーションが重要なのか
企業の環境保護への取り組みや地球温暖化対策といった議論は、SDGs推進からISO140001の認証取得まで従来からされていることではあります。ではなぜ、グリーン・トランスフォーメーションという新しい言葉が重要視されているのでしょうか?
グリーン・トランスフォーメーションが企業価値を決する
2021年7月20日の日本経済新聞では、グリーン・トランスフォーメーションについて次のように言われています。
温暖化ガス排出を実質的になくすカーボンゼロの取り組みで世界の企業が選別され始めた。(中略)グリーン・トランスフォーメーション(GX=緑転)が企業価値を決する
つまり、DX(デジタル・トランスフォーメーション)のようにビジネスの抜本的な改革が取りざたされている中で、環境保護への取り組み推進も改めて注目・重要視されているというわけです。
「炭素負債」は2050年までに42兆ドルを超す
グリーン・トランスフォーメーションの取り組みを評価する指標の一つに「炭素負債」というものがあります。これは、炭素税や排出量取引などCO2排出量に価格をつけるカーボンプライシングから推定されるもので、これが本格導入されるとCO2排出量の多い世界主要1000社は2050年までに計42兆ドルを負担することになると言われています。「炭素負債」を抱える企業の多くが、エネルギー・鉄鋼・化学分野の製造業とされています。
つまり、日本の製造業においてもDXの推進のみならずこのグリーン・トランスフォーメーション(GX)を推進することが、現代の市場変化を先読みしリードする「切り札」になるといえます。製造業におけるグリーン・トランスフォーメーションの取り組み事例には、上記でもふれたように再生可能エネルギーの導入や生産ラインの省人化があげられます。
グリーン・トランスフォーメーションの取り組みは、サプライチェーン全体を変える
上記でグリーン・トランスフォーメーションとは、環境への影響を改善するためにビジネスモデルや企業のあり方を変革することだと紹介しました。
グリーン・トランスフォーメーションは、より持続可能な生産やロジスティクスへの転換を意味し、ひいてはサプライチェーン全体の成長につながるものです。また、グリーン・トランスフォーメーションは、環境保護活動であるのと同時に、将来への負債を減らし長期的な組織の経費削減にも貢献します。
まとめ
最後に、スタンフォード大学の物理学と公共政策の教授であるスティーブン・H・シュナイダー博士によるグリーン・トランスフォーメーションの定義をご紹介します。
私が考えるグリーン・トランスフォーメーションの第一の定義は、人々が日常生活を劣化や危険ではなく、持続可能なものとして見られるように社会を進化させることです。
つまり、グリーン・トランスフォーメーションは地球を守る環境保護活動であり、サプライチェーン全体の付加価値を向上させる取り組みなのです。
製造業におけるグリーン・トランスフォーメーションを推進するには、電力コストが少ない設備の導入やムダ・ゴミが出にくいレイアウト検討等何かしらの投資が必要になります。
そういった現状の生産ラインでは検証できない、将来に向けた投資採算性の評価には「生産シミュレーション」による分析が効果的です。レクサー・リサーチが開発する生産シミュレーション「GD.findi」は、ノーコードでスピーディに投資効果の検証を行うことが可能です。
*参考文献
・日本経済新聞(2021)「第4の革命 カーボンゼロ GXの衝撃」