【ゼロから解説】製造業におけるリードタイムとは
定義から最適化の方法まで分かりやすく解説

リードタイム・納期

製造業におけるリードタイムについて、少し調べてみましょう。リードタイムは製造業において重要な概念であり、「生産が完了するまでの時間」を決定するのに役立ちます。

リードタイムの概念は、任意の時点でどれだけの在庫や完成品が生産可能かを理解したい場合にも知る価値があります。

最適なリードタイムを保つことは、安定した生産体制を実現するのに不可欠です。ただ、「最適なリードタイム」という決まった数字があるわけではなく、この期間の長さは、業界や製品によって異なります。

Main Question
では、製造業におけるリードタイムとは一体何なのでしょうか?

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【ゼロから解説】製造業におけるリードタイムとは 定義から最適化の方法まで分かりやすく解説

本e-bookでは、製造業が事業拡大を図る上で、よくユーザ様が課題として掲げている3つのトピックに焦点を当て、それぞれの改善ステップについてご紹介いたします。

そもそも「リードタイム」とは

“製造業におけるリードタイム” に入る前に、「リードタイム」という言葉全般における意味を解説します。

リードタイムとは
着手から完了までに要する時間(期間)、商品を顧客の手元へ届けるまでにかかる総時間」という意味で用いられることが多い。(実用日本語表現辞典より)

これだけみると「なんだ、当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれませんが、ここで身近な例でリードタイムの重要性について検討したいと思います。

例えば、美容院や床屋さんに行くときのことを想像してみてください。美容院にふらっと訪れることもできますが、予約アプリ等が発達している現代においては事前に予約することも少なくないと思います。

事前に予約した場合は予めカットやカラー等のメニューを選択できますから、美容院側が髪を切るのに必要なものを持って、時間通りに準備してくれるものだと期待しますよね。もし、予めに予約しておいたのにも関わらず、あなたを長時間待たせるようなことがあれば、それはリードタイム違反となります。

スマートフォン

このように、リードタイムはビジネスにおいても日常生活と同様に重要です。

リードタイムは、販売、サービス、生産から顧客満足までビジネスのあらゆる側面に影響します。この分野に注意を払えば払うほど、企業の競争力に貢献することができるといえます。

製造業におけるリードタイム

リードタイムの全般的な意味合いから重要性がわかったところで、製造業におけるリードタイムを検討していきたいと思います。

製造業におけるリードタイムの定義

まず、製造業におけるリードタイムの意味合いについて解説します。

製造業におけるリードタイムの定義

リードタイムとは、ある工程が始まってから終点に到達するまでにかかる時間のこと。

リードタイムとは、製品がA地点(始まり)からB地点(終わり)に到達するまでに必要なすべての側面を指します。時には、製品の製造にかかる時間も含まれます。

ただし、前述したようにリードタイムの範囲(どこからどこまで)は業種や生産する製品によって異なってきます。

時間管理

リードタイムの種類

上記のような生産工程に着目したもの以外にも、リードタイムは様々な観点から考えることができます。

1. 注文が入るまでの時間

注文を受けてから、製品がお客様のもとや出荷場所に届くまでの時間です。お客様が購入の意思決定をするまでの具体的な時間を設定するため、製造業においては非常に重要な要素です。もしこの条件を満たすことができなければ、お客様は興味を失い、他の会社を探してしまう可能性があります。

2. 原材料の時間

製品の製造に必要な原材料を受け取るまでの時間もリードタイムの一部です。これもリードタイムの一部です。発注するよりも少し時間がかかることが予想されますが、それでも重要です。もし顧客が一刻も早く製品を必要としているのであれば、そのニーズに応えてくれる他社を探す必要があるでしょう。

3. 設計と開発

設計と開発のプロセスには、アイデアの概念化、テスト、マーケティングから、最終的にアイデアや発明を実現するまでのすべてが含まれます。このプロセスは、プロジェクトの複雑さや利用できるリソースの種類によって、数週間から数ヶ月かかることがあります。

4. 製造にかかる時間

アイデアや発明を実現するための実際の製造工程もリードタイムの一部と考えることができます。これはプロセス全体の中で最も重要な部分です。基本的な要素がすべて揃うと、この時点で最初のバッチが生産されることになります。完成までにかかる時間が最も長いことから、「最大」リードタイムとも呼ばれています。

リードタイムの測定方法

リードタイムの具体的な測定方法について簡単に紹介します。リードタイムの測定方法は、業界等よって異なりますが、大きく分けて、カスタムメーカー、決まった製品を生産するメーカー、部品メーカーの3つのカテゴリーがあります。それぞれについて見ていきましょう。

1. カスタムメーカー

カスタムまたはオーダーメイドの製造とは、基本的に販売用の在庫を持たないことを意味します。アルマーニやラルフ・ローレンなどのアパレル企業がこの方式を採用しています。

これらの製品を製造するために使用される時間の長さは、同時にどれだけ多くの注文を受けるかによって、つまり繁忙期(休日など)には変化します。この特定のリードタイムは、通常、週単位で見積もられます。

2. 既定製品を生産するメーカー

決まった製品を生産するメーカーもまた、既製の在庫を使って販売を行いますが、カスタムメーカーと比較すると安定的なレートであることが多いです。

このタイプの企業は、常に複数の異なる顧客にアクセスできるように設計されています。このタイプは通常、数週間の範囲で「リード」タイムがあります。

3. 部品メーカー

電子機器や医薬品などの部品メーカーは短期間のリードタイムが求められます。これらの製品は、わずか数日で製造して出荷するケースもありますが、業界や、どのような製品を製造しているかによって異なります。

リードタイムを適切に管理するステップ

リードタイムとは何か、そして製造業においてリードタイムがどのように機能するかについて、理解を深めていただけたでしょうか。ここでは、リードタイムをうまく管理するための基本的なステップについて説明したいと思います。

【ゼロから解説】製造業におけるリードタイムとは 定義から最適化の方法まで分かりやすく解説

1. 各要素を整理する

組み立てラインをスタートさせても、部品や原材料が勝手に出てくることはありません。リードタイムを機能させるためには、タイムゾーン、配送スケジュール、締め切りなど、すべての要素が一致している必要があります。

2. ある問題を別の問題に置き換えてはいけない

欠陥のある部品があっても、それを別の欠陥のある部品で置き換えてはいけません(たとえその方が安くても)。1つ目の部品で問題を解決する代わりに、2つ目の部品を使うと全く新しい問題が発生してしまいます。これは、製品を製造する上で避けなければならないことです。

3. 整理整頓を心がける

リードタイムに関連するすべての情報を管理する方法を決めることが重要です。これには、部品の納期、製造日、その他必要な情報が含まれます。また、必要に応じて調整するために、それぞれの段階にかかった時間を記録することも重要です。

リードタイムを削減する方法

リードタイムを短縮する方法のひとつに、自動化があります。自動化とは、あるタスクに人間が関与しないようにすることです。これには、データ入力や人間の判断を必要としない反復作業などのタスクが含まれる場合があります。自動化によってリードタイムが短縮されるのは、人間が特定の作業を手作業で行う必要がなくなるため、他の作業に時間を割くことができ、生産ラインに必要な作業者の数を減らすことができるためです。

リードタイムを管理・削減するために使用することができる第二の方法は、そのようなERPソフトウェアやCRMソフトウェアとしてツールを使用することです。これらのツールは、組織のすべての側面を管理するのに役立ち、多くの場合、プロジェクト管理ソフトウェアなどの他のツールと併せて使用されています。

まとめ

このように、リードタイムの管理には、細心の注意を払って慎重に行うことが必要です。自分の会社がどのような製品を作っているのかを確認してから、慌てて行動に移すことは社内のみならず顧客にも悪影響を及ぼすリスクがあるからです。

また、リードタイムには、生産システムにおける様々な要素が絡んできます。こういった複雑な生産システム設計には、Excelよりも強力な生産シミュレータを活用するという手が有効です。生産シミュレータなら、リスクのない環境で最適なリードタイムの検証を満たす条件を検証することができます。

リードタイム最適化にぴったりのツールとは?

GD.findi

生産シミュレータGD.findiを活用することで、Excelよりも簡単に生産目標を満たす仕掛かり在庫やフロアレイアウトを導出。リードタイム最適化に大きく近づくことができます。

【ゼロから解説】製造業におけるリードタイムとは 定義から最適化の方法まで分かりやすく解説
著者情報

山上 玲奈(株式会社レクサー・リサーチ マーケティング担当)