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モノづくり用語解説 | 本記事は 4分で読むことができます
製造原価とは?意味から基本の計算式について解説
執筆者:レクサー・リサーチ マーケティング 山上玲奈(やまがみ れいな)
無料ガイド: 製造業の現場における3つの課題を解決する基礎ガイド
本記事では、製造原価について用語の意味から計算式まで基本的な事項を解説します。
はじめに :製造原価とは
製造原価をひとことで表すと、製品の生産に発生するすべてのコストの合計です。製造原価は製造業において重要な指標のひとつといわれています。
製造原価が重要な理由
製造原価が重要なのは、商品の販売価格に直接的に影響を与えるからです。
製造原価は製造者がその製品をいくらで売ることができるかを概算することが可能であり、企業の意思決定者は、この情報をもとに、どの製品を製造するか、製造する場所をどこにするか、あるいはまったく製造しないかどうかを決定することができます。
製造原価の要素
製造原価は、主に3つのカテゴリーに分けることができます。それぞれ直接か間接かの分類があり、計6つの要素に分解することができます。
1. 直接材料費:製品を作るために使った原材料の費用
2. 直接労務費:製造工程に直接従事する従業員の賃金、福利厚生費など
3. 直接経費:1や2以外で、直接製造にかかった費用
4. 間接材料費:どの製品にかかったかをさかのぼって分類することが難しい材料費
5. 間接労務費:どの製品にかかったかをさかのぼって分類することが難しい労務費(マーケティング、研究開発、人事、財務、管理などのサポート業務に従事する従業員の賃金、福利厚生、その他のコスト)
6. 間接経費:賃料や光熱費など、特定の製品や工程からは容易にさかのぼることはできないが、製造工程が行われるために必要な費用
製造原価と売上原価の違い
製造原価は、製品を製造するためにかかった費用です。一方で売上原価とは、商品を販売する際に発生する売れた商品にかかった原価を指します。
製造原価は、製造工程で支出されたすべての費用を合算して計算されます。一方、売上原価は、期首在庫と当期仕入高を加算し、期末在庫を減算して計算されます。
このように売上原価と製造原価の違いは、計算の対象が異なることにあります。
原材料の投入量に基づく製造原価の決定方法
製造原価は、原材料の投入コストによって決まります。原材料が高価であればあるほど、製造原価は高くなります。そのためある製品にどのような原材料が使われているかを知ることでどれだけのコストになるかを見積もることが可能です。
製造原価を計算するには大きく分けて3ステップあります。最初のステップは、製造に必要なすべての材料を考慮することです。これには、原材料、部品、その他製造時に使用されるあらゆる材料が含まれます。次に第二のステップは、生産に必要な直接および間接の労働時間を含む人件費を計算することです。そして第三ステップは、工場の家賃、光熱費、保険料、減価償却費や固定資産税などの諸経費を計算することです。
製造原価を計算するために一般的に使用される式
ここでは製造原価報告書に記載が必要になる「当期製品製造原価」の計算式を以下に紹介します。
当期製品製造原価=当期総製造費用+期首仕掛品棚卸高-期末仕掛品棚卸高
また、それぞれの内訳は、以下の式で求めることができます。
*当期材料費について
期首材料棚卸高+当期材料仕入高-期末材料棚卸高
*当期総製造費用について
当期材料費 + 当期労務費 + 当期経費
まとめ
今回は製造原価について解説しました。製造原価を端的に言えば、原材料から販売に至るまで、商品を生産するために必要な人件費、材料費、諸経費などの総費用とまとめることができます。
製造原価を把握することは、経営の観点からも非常に重要で、この製造原価は企業の収益性に大きな影響を与えるため、コントロールし最適にすることで企業にとって最も利益の出やすい商品づくりを可能とします。