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モノづくり用語解説 | 本記事は 3分で読むことができます
ディスパッチングの意味とは?スケジューリングとの違いなど基礎から解説
執筆者:レクサー・リサーチ マーケティング 山上玲奈(やまがみ れいな)
無料ガイド:なぜ生産スケジューラの導入は失敗するのか? 生産計画の見える化・最適化・標準化 に向けた基礎ガイド
本記事では、生産管理における「ディスパッチング」の意味からスケジューリングとの違いなど基礎から解説します。
ディスパッチングとは
ディスパッチングとは、製造環境における作業員、機械、材料の活動を管理・調整するプロセスです。ディスパッチングでは作業者に命令や作業を割り当てることを行います。
ディスパッチングは、適材適所をよく考え、無駄のない作業を実現することを目的 としています。
ディスパッチングは、より効率的な生産と納品を可能にするため、多くの産業で重要な役割を担っています。ディスパッチングの概念自体は古くからありましたが、新しい技術の登場により、以前よりも効率性が求められています。
日本語では「差立」(さしたて)とも呼ばれており、このことはラインの先頭にある伝票差しに作業伝票を差し立てて行ったことに由来しています。
ディスパッチングとスケジューリングの違い
この2つの用語は同じ意味で使われることが多いものの、厳密には同じではありません。
ディスパッチングとは、作業者や設備にタスクやジョブを割り当てて、タイムリーに完了させるためのものです。一方でスケジューリングは、これらのタスクやジョブを最も効率的なタイミングで完了できるように整理するプロセスです。
製造業におけるディスパッチングの必要性
製造業におけるディスパッチングは、工場の成り立ちとと同じくらい古くから行われてきました。このようにディスパッチング生産管理の重要な部分であり、効率性、品質管理、安全性の確保に役立っています。
ディスパッチングで生産性を向上させるには
先述のようにディスパッチングは、生産設備内の様々な機械に仕事を割り当てるプロセスです。 適切なにディスパッチングを行うことで、各機械が現在のジョブを完了してから次のジョブに移るまでの総時間を最小限に抑えることができます。
ディスパッチングルールとは
どの作業を選択するかという優先順位をつける規則のことを「ディスパッチングルール」と言います。ディスパッチルールは、バッチ処理と連続処理の両方で使用されます。
バッチ処理では、すべてのマシンが常に稼働状態であり、ムダがないこと重要視されます。連続生産では、どのマシンもジョブが利用可能になるのを待つために時間を浪費することがないようにします。
ディスパッチングルールの代表には「先入れ先出し(FIFO)」などがあげられます。
ディスパッチングのためのソフトウェア
ディスパッチングを検討する際に一般的に用いられるツールとしては、生産スケジューラや生産管理ソフトがあげられます。これらのツールは、すべてのタスクが順番に完了し、納期に間に合うようにする役割を担っており、事前に作業日とタスクを計画することで、このプロセスをさらに効率化するのに役立ちます。
これらのソフトウェアは、単に従業員を効率配置するためのツールではなく、材料や機器などのすべてのリソースを効率化するためのツールでもあります。適切なタイミングで適切な人材に作業指示を割り当てることで、業務の最適化、コスト削減、効率化を実現しています。
システム導入のデメリットとは?
生産スケジューラや生産管理システムを導入するメリットが様々ある一方で、そのデメリットもあります。
システム導入のデメリットとして、まず挙げられるのが導入コストです。新しいシステムを導入するために費用がかかる場合がありますし、新しいシステムで社員を教育するのにも時間がかかります。また、新しいシステムの使い方を覚える必要があるため業務の効率が上がらない可能性があることもデメリットの一つです。
まとめ
適切なディスパッチングを行うことで生産ラインの生産性や稼働率をより高めることができます。ディスパッチングルールを検討する際には、本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。