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温室効果ガスがもたらす影響と生産ラインから削減する方法とは

執筆者:レクサー・リサーチ マーケティング 山上玲奈(やまがみ れいな)

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GHG

温室効果ガスは、工場、エネルギー生産、輸送など、さまざまな原因から排出されます。今回は、これらの温室効果ガスが環境に及ぼす原因や影響、そして生産ラインからそれらを削減する方法について考えてみましょう。

温室効果ガスとは?

温室効果ガスとは、大気中の熱を閉じ込める気体のことです。

温室効果ガスの数は多く、発生源も様々ですが、主に石炭や石油などの化石燃料をエネルギーとして燃やしたり、森林伐採や農業を行うことで発生します。その中でも最も一般的な温室効果ガスが二酸化炭素(CO2)です。

温室効果ガスがもたらす影響と生産ラインから温室効果ガスを取り除く方法
出典:気象庁

温室効果ガスの種類

地球温暖化の原因となる温室効果ガスには、亜酸化窒素、二酸化炭素、メタン、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、パーフルオロカーボン(PFCs)、六フッ化硫黄(SF6)などさまざまな種類のガスがあります。

大気中の温室効果ガスと地球への悪影響

温室効果ガスがもたらす影響と生産ラインから温室効果ガスを取り除く方法

大気中の温室効果ガスは地球を温暖化させています。しかし同時にCO2のような温室効果ガスは地球の大気中にも自然に存在するものです。それらは熱を閉じ込めて、生命維持に必要な暖かさを地球上に保っています。 温室効果ガスは地球の気候を維持するために不可欠ですが、増えすぎると地球温暖化につながり、環境と人間に影響を及ぼします。 

この温暖化の影響は広範囲に及び、私たちの地球に様々な弊害を及ぼします。

温室効果ガスが気候変動に及ぼす影響と各国の対応

先述のように二酸化炭素は、気候に自然にも存在していることからも分かるように気候変動の原因となる温室効果ガスの中で最も多く存在するガスです。化石燃料やその他の自然資源を燃やすことによって作られます。温室効果ガスが気候変動に与える影響は数十年前から大きな話題になっていましたが、化石燃料の使用量が増えている近年、さらに緊急の課題となっています。

そこで、二酸化炭素の法制化が進んでおり 2015年12月に195カ国が署名したパリ協定は、地球温暖化を2度以上上がらないように抑えることを約束しました。そのためには、二酸化炭素の排出量をできるだけ減らすことが一つの方法であり、世界的な取り組みが必要です。これらを実現するために、多くの国が排出権取引制度などを導入していますが、いずれも二酸化炭素を大気中に放出することに値段をつける方法です。

生産ラインから温室効果ガスを取り除く方法

工場

製造業において温室効果ガスは、原材料の採取から生産、流通、使用まで、製品のライフサイクルのすべての段階で排出されます。生産ラインでの温室効果ガスの排出を減らすには、商品の生産に必要なエネルギー量を減らすことが一番です。これは、生産ラインをより効率的で持続可能なものにすることで実現できます。ソーラーパネルや風力タービンなどの技術も、このプロセスの一助となります。温室効果ガスを削減する方法のひとつに、再生可能エネルギーの利用があります。

再生可能エネルギーはクリーンで、大気中に温室効果ガスを放出することがありません。また、化石燃料に比べて汚染も少ないので、環境中の温室効果ガスの量を減らすことが可能です。

カーボンフットプリントを用いた温室効果ガス排出量の算出

また、 シミュレーションを利用してカーボンフットプリントを算出するという方法もあります。 この場合、設備機器や生産プロセスのカーボンフットプリントを計算するためにシミュレーションが使用されます。

このプロセスは簡単に言えば、まず生産時に排出されるCO2量を特定し、削減すべき活動・項目を明らかにするという方法です。

*カーボンフットプリントとは、個人、組織、イベント、製品によって引き起こされた温室効果ガスの総排出量をCO2に換算して計算するものです。カーボンフットプリントは、単位マテリアル量あたりに排出される二酸化炭素の量を掛け合わせることで算出されます。詳しくは以下のコラムをご参照ください

おわりに:温室効果ガスの現状を知ることが削減への第一歩

今回は、温室効果ガスの現状と、それを減らすために私たちができることを説明しました。また生産ラインから温室効果ガスを取り除くためにできることについても述べました。

私たちは、自分たちが大気中に排出している温室効果ガスの量を知っておく必要があります。温室効果ガスがどこからやってきて、私たちの環境にどのような影響を与えるのかを知っておくことが地球にとっても我々にとっても最も重要なことなのです。