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【今さら聞けない】QCDとは?
基礎からわかりやすく解説
みなさんは「QCD」という言葉は知っていますか?生産管理や生産マネジメントでよく使われる用語なのですが、初めて聞く方は「なにその呪文…」と思われるかもしれません。または、「上司や周りが使っているから、意味は分からないけど使っている」という方もいるかもしれません。
今回は、製造業に欠かすことのできないQCDについて、わかりやすく解説いたします。
QCDとは?
QCDとは、Quality・Cost・Deliveryの頭文字をとった用語で、それぞれ
・Quality :品質
・Cost :コスト
・Delivery :納期 を意味します。
品質とは
品質とは、JIS定義では「品物またはサービスが使用目的を満たしているかどうかを決定するための固有の性質・性能の全体」と定義されています。かつてはこの定義に当てはまるか否か、という点が品質の良し悪しを決めていました。
しかし、これでは「顧客視点が抜けているよね」ということで、現在では「顧客の要求に、製品からサービス全体が満たしているか」という点で判断されるのが一般的です。
コストとは
コストとは、生産や納品にかかる総費用のことで、ここでは変動費と固定費の両方を含みます。
納期とは
納期は一般的には、製造した製品をお客様に納める期日のことを指しますが、QCDの概念の中では、生産ライン上で製品が完成するまでの期間、つまりは原材料から製造、発送までのリードタイムも含まれます。
QCDの重要性
QCDは、関連する要素
品質(Quality)、コスト(cost)、納期(delivery)はすべて関連し、依存しています。QCDをGoogle検索すると、ベン図や三角形のチャートで示されている画像がでてきます。この図からも、QCDの3要素はそれぞれが独立しているものではなく、常に関係していて3つの要素を網羅的に考える必要がある、ということがわかるかと思います。
例えば、
・品質が悪いと、手戻り・やり直しで納期に遅れてしまう
・納期に遅れてしまうと、信用が下がり次の注文がとれない
・コストが高いと利益が出ない …
といったように、普段当たり前と感じているところにもQCDは関係しています。つまり、どれか一つの要素だけに集中しても、最大の成果を得ることはできませんが、これらを一元的に管理することで、事業や組織全体に良い影響を与えることができるというわけです。
市場環境の変化など、変化の激しい現代において、最適なパフォーマンスを実現するためには、企業はQCDの概念を共通認識として持ち、それがどのように利益ある成長を支えるかを理解する必要があるといえます。
具体的にどんな風に使われているのか?
では、製造業の企業や組織はどのようにQCDを意識し、管理しているのでしょうか。工場と各組織の部門の棲み分けは、企業によって異なりますから、ここではある一例として紹介いたします。
Q (品質)を担う部門
QCDの「Q(品質)」は、主に品質管理部といった部門で管理されます。ここでは、部品や製品についての検査基準を作成したり、実際の品質検査を実施したりします。また、顧客向けの品質担当窓口として、クレーム対応等を担当することもあります。
C (コスト)を担う部門
QCDの「C(コスト)」は、生産技術部といった部門で管理されます。ここでは、製品企画から開発された製品を効率的かつ安く生産する方法や、設備・工具類の計画立案、準備を行います。工場内での製造コストに大きく関わるのが、この部門といえます。
D (納期)を担う部門
QCDの「D(納期)」は、生産管理部といった部門で管理されます。ここでは、工場内の生産量や納期を管理し、顧客の要求通り製品が提供できるかが大きなテーマになります。このため生産管理部では、「納期遵守率」という指標が重要視されます。
まとめ
今回は、生産性の基礎をなす「QCD」の意味やそれらを担当する具体的な部門について解説しました。
QCDとは
QCDとは、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)の頭文字をとった用語で、製造業には欠かすことのできない3要素。それぞれは常に関係している要素であるため、網羅的にマネジメントする必要がある。
この「お役立ちコラム」では、他にも製造業の基礎知識や最新トレンドについてご紹介しています。関連記事の方も、ぜひご一読ください。
*参考文献 松林、渡部(2020)『工場のしくみ』